Welcome to Michito Tsuruoka's blog. This space is mainly used to announce my new publications.

2018/05/21

国際秩序をめぐる攻防の時代(『国際安全保障』特集号)

国際安全保障学会編『国際安全保障』第45巻第4号(2018年3月)、特集「国際秩序をめぐる攻防の時代」が刊行されました。鶴岡が編集主任を務め、特集論文の執筆陣には、玉置敦彦、小泉悠、山口信治、白鳥潤一郎という、若手を中心とした、まさに新進気鋭の皆さんにご参加いただきました。

今回は、『国際安全保障』の特集号としては異例だったかと思いますが、執筆者間で研究会を2度実施しました。問題意識を共有するのみならず、原稿にコメントし合うなど、作成過程も非常に充実し、楽しい時間でした。このところ、さまざまな雑誌が国際秩序に関連した特集を組んでいますが、外交・安全保障の観点から、今回の特集が何らかの貢献ができたのであれば嬉しいことです。執筆者、そしてその他関係者の皆様、大変お世話になりました。改めて感謝いたします。

国際安全保障学会サイト:
http://is-japan.org/journal/articles_jp.html#45_4
内外出版株式会社サイト(オンラインストア):
http://www.naigai-group.co.jp/_2018/04/454.html


2018/04/03

英国での元スパイ毒殺未遂事件に、なぜ欧州は強く反応したのか

ハフポスト日本版に「英国での元スパイ毒殺未遂事件に、なぜ欧州は強く反応したのか」(2018年4月2日)と題した小文を掲載しました。

記事URL:https://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/eu-spy-russia_a_23400053/


内容はタイトルのとおりでして、3月4日に英ソールズベリーで発生した元ロシアスパイのセルゲイ・スクリパリ氏の毒殺未遂事件への欧州諸国、EU、NATOの反応を分析したものです。

加えて、やはりいろいろ考えさせられるのは日本の対応です。これについても後半部分で触れました。やみくもに日本もロシア外交官を何人か追放すればよいとは必ずしも思わないのですが、ロシアとの関係が「これまで通り(business as usual)」でよいのかは、日本外交にとってのプラスとマイナスを冷徹に計算するなかで改めて検討しなければならないと考えています。

今回の事件について日本では、「欧米とロシアが対立している」といった他人事的雰囲気や、「スパイ小説のような」云々といったワイドショー的取り上げ方が多い気がしますが、日本にとっても他人事ではない、政治・外交・安全保障上の深刻な課題です。

2018/02/23

Japan First vs. Global Japan

Michito Tsuruoka, "Japan First Versus Global Japan," The National Interest (14 January 2018) is available online.

URL: http://nationalinterest.org/feature/japan-first-versus-global-japan-24063

This short piece examines the state of Japan's foreign and security policy discourse - particularly looking at the competition between the "Japan First" and "Global Japan" camps. While those in the "Global Japan" camp dominate Japan's voices in the international arena, including various international conferences, the "Japan First" camp remains formidable in the domestic context... The "Global Japan" camp is hardly winning.


米National Interestのサイトに、「Japan First Versus Global Japan(「日本第一」対「グローバル日本」)」という小文を寄稿しました。日本の外交・安全保障政策を巡る日本国内の議論状況を、「日本第一」派と「グローバル日本」派のせめぎ合いとして整理してみました。

URL:http://nationalinterest.org/feature/japan-first-versus-global-japan-24063

端的にいって前者は、「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増すなかで、有する資源は全て、北朝鮮と尖閣という最優先課題に傾注すべきで、それ以外を考える余裕はない」という立場であり、後者は、「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているからこそ、新たなパートナーも必要であり、グローバルな関与がいままで以上に求められている」と主張しています。

日本人が日本で観察している限り、前者の「日本第一」派のような考え方が優勢であることは感覚的に理解している人が多いと思います。しかし、国際会議に出席したり、海外の専門家と議論したりしていると、「グローバル日本」派の見方が実態以上に浸透していることに気付かされます。特に英語での発信という観点では、やはり「グローバル日本」派の人の声が大きくなりがちな結果なんだと思います。(かくいう私もその片棒を担いでいるのだと思いますが・・・。)そんな背景があり、この問題をまずは英語で何とか説明できないか、というのがこの小文です。いずれ、もう少し長い、しっかりした論文にしたいところです。

2018/02/18

Interview with The Ukrainian Week

My interview with The Ukrainian Week appeared in its January 2018 issue. It is an English edition of "Tyzhden," Ukraine's leading news magazine. I spoke to them when I visited Kyiv in November 2017 and discussed Japan and the North Korean crisis, the Japan-US alliance and Japan-NATO cooperation among other issues.

PDF: http://i.tyzhden.ua/content/photoalbum/2018/01_2018/23/uw/Book_1.pdf
Ukrainian: http://tyzhden.ua/World/207880





2018/02/01

短評:ミュラー『ポピュリズムとは何か』

しばらく前ですが、東京財団の「2017年に読んだおすすめの本」という企画に、ヤン=ヴェルナー・ミュラー(板橋拓己訳)『ポピュリズムとは何か』(岩波書店、2017年)の短評を寄稿しました。短いですので、全文を下記に転載します。リンクはこちらです。他の研究員もそれぞれに興味深い本を挙げています。

東京財団サイト:https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/rssmfy#tsuruoka


【短評】(東京財団サイトより)

2017年もまた、「ポピュリズム」という言葉を無視しては過ごせない年になってしまった。フランスの大統領選挙ではマクロン候補の勝利により極右国民戦線の大統領誕生が阻止されたものの、火種は各国でくすぶっている。

ポピュリスト勢力とともに、ポピュリズム批判も巷に溢れているが、そもそもポピュリズムとは何なのか。民主主義を活性化させるために、大衆の声を聞くという意味のポピュリズムはむしろ有用なのではないかとの声もある。そうした、「ポピュリズムも必要悪」といった見方を一刀両断にし、ポピュリズムは民主主義への脅威であると明確に位置づけるのがミュラーの議論である。

著者は、「自分たちが、それも自分たちだけが真正な人民を代表する」というポピュリストの主張こそが最も危険だという。それは、自らに反対する勢力はすべて異端で正統ではないとの考えそのものであり、反多元主義であるがゆえに、民主主義とは根本的に相容れないというのである。与党と野党が存在し、様々な意見が許されるのが民主主義の根幹であり、ミュラーの指摘は重い。

こうした真剣な警告も、欧米諸国と比較してポピュリスト勢力が成功していない日本ではあまり響かないかもしれない。しかし、重大な出来事が起きてから慌てないためにも、今の段階から考えを深め、対策を考えておくべきだろう。

原著:Jan-Werner Müller, What Is Populism? (The University of Pennsylvania Press, 2016)

2018/01/31

Japan and the UK as Strategic Partners After Brexit

Michito Tsuruoka, "Japan and the UK as Strategic Partners After Brexit," Asia Pacific Bulletin, No. 410 (Washington, D.C.: East-West Center, 9 January 2018) is available at the EWC website.

PDF: https://www.eastwestcenter.org/publications/japan-and-the-uk-strategic-partners-after-brexit

In this brief piece, I discuss recent developments of Japan-UK cooperation, including in the security and defence domains, in light of Brexit. The fact that the UK, which has long been seen as a gateway to Europe for Japan, is leaving the EU will inevitably have negative consequences for Japan's interest. But at the same time, Britain needs non-EU partners more than ever before, which could stimulate the development of Japan-UK cooperation.


米イースト・ウェスト・センターのAsia Pacific Bulletinのシリーズに、英国のEU離脱(Brexit)を控えての日英関係についての英語の小文(Japan and the UK as Strategic Partners After Brexit)を寄稿しました。


長年にわたって日本は欧州への窓口としての英国に依存してきましたので、Brexitは大きな損失であることは否定できません。しかし、英国がEUを離脱することで、英国にとってEU域外のパートナーとの関係構築がいままで以上に重要になっているという側面もあります。そうしたなかで、インドなどと並んで日本との関係の優先度も上昇しているわけでして、日英協力にとっては追い風ともいえる状況も生まれています。ただ、今後しばらくBrexit関連の交渉やその後始末に追われる英国が、どこまでグローバルな関与を維持できるかは油断を許しません・・・。

同じシリーズで英国側からの視点を、Henry Jackson SocietyのJohn Hemmings氏が寄稿しています。以下URLからダウンロード可能です。

2018/01/15

欧州安全保障環境の変容(『ディフェンス』第55号寄稿)

隊友会刊行の『ディフェンス』第55号(2017年)に「欧州安全保障環境の変容――3つの脅威への対応」と題して小文を寄稿しました。「東の脅威」、「南の脅威」、そして「内なる脅威」への対応に迫られる欧州の現状を概観したものです。自衛隊関係者以外にはなかなか馴染みのない媒体かと思いますが、もし機会がありましたら、ご笑覧いただければ幸いです。



2017/09/15

核兵器「持ち込み」問題の論点――抑止論と制度論

鶴岡路人「核兵器『持ち込み』問題の論点――抑止論と制度論」をハフポスト日本版(2017年9月11日)に掲載しました。

記事URL:
http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/north-korea_a_23203567/?utm_hp_ref=jp-homepage


昨今の北朝鮮情勢を受けて、日本国内でも、非核三原則のうち「持ち込ませず」を削除し、米国の核兵器の持ち込みを認めるべきとする議論も盛り上がっています。しかし、何のための持ち込みなのか(抑止論)、どのような持ち込みなのか、持ち込むためには何が必要になるのか(制度論)などなど、全く詰められていない議論が横行している印象があります。

そこで、「有事の持ち込み」と「平時の持ち込み」を分けたうえで、持ち込む際に必要となる制度・枠組みを整理してみたのが今回の小文です。持ち込みを主張するわけでも、それに反対するわけでもありません。

そのうえで、次のステップは、抑止を継続的に機能させるにあたって、現状ではいかなる問題が存在するかを検討し、そしてその問題が核兵器の持ち込みによって対処可能なのかを見極めることかと思います。独自核開発(核武装)の議論は、さらにその先です。日本の安全保障にとって重大な問題ですから、勇ましいだけの安易な議論には注意し、抑止論と制度論を踏まえた議論を蓄積していかなければなりません。

2017/08/06

Japan's New Nuclear Deterrence Challenges (NBR Special Report)

North Korea and Asia's Evolving Nuclear Landscape: Challenges to Regional Stability, NBR Special Report, No. 67 (Washington, D.C.: National Bureau of Asian Research, August 2017) has just been published and is available at the NBR website. Free download until 1 October 2017.

I contributed a chapter "Japan's New Nuclear Deterrence Challenges: The Implications of Russia's Nuclear Saber-rattling and NATO's Response." Other contributors include Aaron Friedberg, Robert Jervis, James Kim, Jina Kim, Matt Kroenig, Sugio Takahashi and Christopher Twomey. This is part of a large project on Asia's nuclear futures and the National Institute for Defense Studies (NIDS) hosted a small workshop in Tokyo in November 2016.

NBR page: http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=350


米NBR(全米アジア研究所)から、アジアの核秩序に関する新たな報告書が刊行されました。私は、ロシアによる核の威嚇(nuclear sabre-rattling)とそれへのNATOによる対応が、日本、および日米同盟にいかなる影響を及ぼすかに関する小文を寄せました。

今回の報告書には、他に米国からAaron Friedberg, Robert Jervis, Matt Kroenig, Christopher Twomeyが、韓国からJames Kim, Jina Kimそして日本からは高橋杉雄の各氏が寄稿しています。NBRのウェブサイトで2017年10月1日まで無料でダウンロード可能です。

NBRサイト:http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=350

2017/07/04

Stanley Sloan, Defense of the West書評(『国際安全保障』)

国際安全保障学会編『国際安全保障』第45巻第1号(2017年6月)に、Stanley Sloan, Defense of the West: NATO, the European Union and the Transatlantic Bargain (Manchester University Press, 2016)の書評を掲載しました。

出版社サイト:http://www.naigai-group.co.jp/_2017/06/451.html



本号の特集は中山俊宏編「オバマ外交の遺産」でして、豪華な顔ぶれです。私の書評したDefense of the Westは、NATOの通史的な教科書です。ページ数も多く、通読にはなかなか向かないかもしれませんが、米国におけるNATO研究の大家の一人による信頼できる本でして、手元にあると必要になったときに便利です。英国のEU離脱やトランプ政権の誕生といった最新のトピックはカバーされていませんが、それらの問題を考える上でも貴重な示唆が沢山あります。

2017/06/27

言論NPO 言論スタジオーー英仏の選挙結果とEU、民主主義の将来

言論NPOで「フランスとイギリスの選挙を踏まえながら、民主主義とEUの未来を考える」と題した言論スタジオが実施され(2017年6月23日収録)、言論NPOやYouTubeで映像として公開されました。

(写真:言論NPO)


言論NPOの工藤泰志代表が司会し、東京外国語大学の渡邊啓貴教授、みずほ総合研究所の吉田健一郎上席主任エコノミスト、そして鶴岡の3名がパネリストを務めました。言論NPOのウェブサイトには、概要レポートも掲載されています。

概要レポート(上):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_59.html
概要レポート(中):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_60.html
概要レポート(下):
http://www.genron-npo.net/studio/2017/06/post_61.html

2017/06/23

BS日テレ「深層NEWS」(2017年6月22日)

BS日テレのニュース番組「深層NEWS」(2017年6月22日)にスタジオ出演し、英議会選挙、英EU離脱交渉の開始、仏議会選挙などを受けた欧州政治についてお話してきました。1週間限定(6月29日まで)で日本テレビ(日テレNews24)のサイトで全て観ることができます。

番組サイト:http://www.bs4.jp/shinsou/

(写真:日本テレビ)

2017/06/21

BS朝日「いま世界は」(2017年5月28日)

BS朝日のニュース番組「いま世界は」(2017年5月28日)にスタジオ出演し、欧州で頻発するテロ事件、欧州におけるテロ対策、それに関連して5月25日のNATO首脳会合などについてお話してきました。



2017/05/29

全てが振り出しに戻ったトランプ大統領の欧州訪問ーー日本にとっても対岸の火事ではない

鶴岡路人「全てが振り出しに戻ったトランプ大統領の欧州訪問ーー日本にとっても対岸の火事ではない」をハフポスト日本版(2017年5月29日)に掲載いたしました。

記事リンク:
http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/trump-europa-polarize_b_16860552.html?utm_hp_ref=japan


トランプ米大統領の初めての欧州訪問。さまざまな評価が可能かと思いますが、少なくとも欧州にとっては、トランプ政権への懸念を強める結果になりました。

NATOの将来とともに、G7首脳会合で露呈した貿易や気候変動を巡る見解の相違。それらを受けてメルケル独首相は、米(トランプ政権)・英(EU離脱)に完全に頼ることはもはやできず、「我々の運命は自ら切り開かなければならない」、「欧州の将来のために闘わなければならない」とまで述べています。もちろん、これがうまくまわり、(英離脱後の)EUが結束を強める結果になるのが、欧州の親EU派にとっては最高のシナリオですが、その見通しが不透明であることもまた、欧州側の苛立ちを強める要因になっているわけです。

2017/05/26

East Asian Strategic Review 2017

East Asian Strategic Review 2017, an annual publication of the National Institute for Defense Studies (NIDS), Japan, is now available in English and can be downloaded for free at the NIDS website. I contributed a chapter on changes in Europe's strategic environment and their impact on East Asia (Chapter 1) - my very last work at NIDS.

EASR 2017:
http://www.nids.mod.go.jp/english/publication/east-asian/e2017.html

EASR 2017 (Japanese):
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2017.html


防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』の英語版が公開されました。上記防衛研究所のウェブサイトで全文がダウンロード可能です。私は、「欧州戦略環境の変動ーー東アジアへの影響」(第1章)を担当しました。防衛研究所での最後の仕事でした。

2017/05/23

トランプ政権下の米欧関係の課題と懸念

鶴岡路人「トランプ政権下の米欧関係の課題と懸念」(2017年5月22日)を東京財団のサイトに掲載しました。

記事リンク:https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/jjvksm

トランプ大統領は、中東(サウジアラビア、イスラエル)訪問の後、ヴァチカンを経て、5月24日にブリュッセルに入ります。ブリュッセルでは、NATO首脳会合でNATOデビューをする他、EU首脳との会談、フランスのマクロン新大統領との会談も予定されています。

NATOに関するトランプ政権の主たる要求は、欧州諸国の国防予算増額(NATO基準のGDP比2パーセントを達成するようにとの圧力)と、テロ対策におけるNATOの役割強化です。これらがどのように扱われ、いかなるメッセージを発出することができるのか。そして、EU関連では、トランプ政権がEU統合を支持するメッセージを出せるか否かが問われています。ただ、これらの問題は今回の訪問で片付くような性質のものではなく、今後しばらく課題、そして懸念であり続けるのだと思います。


2017/05/22

マクロン仏大統領の誕生ーー3つの論点

鶴岡路人「マクロン仏大統領の誕生ーー3つの論点」(2017年5月17日)を東京財団のサイトに掲載しました。

記事リンク:https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/y79o3p-1

仏大統領選挙についてはすでに論じつくされているかもしれませんが、(1)ポピュリズムの台頭は止まったか、(2)EUにおける仏独協力は復活するか、(3)日仏協力、フランスのアジア関与の行方は、に関して改めて考えてみました。脱稿のタイミングの関係で間に合いませんでしたが、本文で触れたオランド政権のルドリアン国防相は、外相に就任しました。活躍が期待されます。

2017/05/21

日米同盟における「巻き込まれ」と「見捨てられ」を考える(ハフポスト日本版)

鶴岡路人「日米同盟における『巻き込まれ』と『見捨てられ』を考える」をハフポスト日本版(2017年5月8日)に掲載しました。

記事リンク:http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/us-japan-alliance-imminent-north-korean-threat_b_16474264.html


北朝鮮情勢が緊迫化するなかで、日本では米国による軍事オプションに関する議論が盛んです。これはまさに日米同盟における「巻き込まれ」の懸念の表出です。ただつい最近まで、日米同盟の文脈では、「米国は有事の際に本当に日本を支援してくれるのか?」という「見捨てられ」の議論が盛んでした。方向性は大きく異なりますが、この「巻き込まれ」と「見捨てられ」は同じコインの表裏です。この構造を改めて整理してみました。

2017/05/17

欧州戦略環境の変動ーー東アジアへの影響(防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』)

防衛研究所編『東アジア戦略概観2017』(2017年)が刊行されました。巻頭のトピック章として、鶴岡路人「欧州戦略環境の変動――東アジアへの影響」を寄稿しました。その他の章は、基本的に例年通りの配置です。(防衛研究所での最後の仕事になりました。)

本書は、バックナンバーを含め防衛研究所のサイトで全文無料でPDFをダウンロード可能です。また、ハードコピーはAmazonなどで購入可能です。英語版は2017年5月中に刊行の予定です。

防衛研究所サイト:
http://www.nids.mod.go.jp/publication/east-asian/j2017.html


2014年からのウクライナ危機、2015年の移民危機、そして相次ぐテロ事件に、英国のEU離脱決定にもみられるポピュリズムの台頭等、ここ数年は日本でも欧州の政治・安全保障問題が多く報じられてきました。悪いニュースがあるときだけ注目されるのも困ったものですが、欧州の問題、そしてそれが日本に及ぼす影響について考えるきっかけとしては悪くないのかもしれません。

2017/05/16

Strategic Considerations in Japan-Russia Relations (NBR Special Report)

Michito Tsuruoka, 'Strategic Considerations in Japan-Russia Relations: The Rise of China and the U.S.-Japan Alliance', in Shoichi Itoh, Ken Jimbo, Michito Tsuruoka and Michael Yahuda, Japan and the Sino-Russian Entente: The Future of Major-Power Relations in Northeast Asia (Washington, D.C.: National Bureau of Asian Research, April 2017) has been published and is available at the NBR website.

Please note that the report can be downloaded for free only until 4 June 2017, after which there will be a charge.

NBR website: http://www.nbr.org/publications/issue.aspx?id=344


中露協力と日本に関する米NBR(全米アジア研究所)の報告書に、「Strategic Considerations in Japan-Russia Relations: The Rise of China and the U.S.-Japa Alliance」と題した小文を寄稿しました。刊行後2カ月間のみNBRのサイトで無料公開でして、それ(2017年6月4日)以降は、有料になってしまうようです。ご関心おありの方はお早めにどうぞ。(こちらでのご紹介が遅くなり、申し訳ありません。)

報告書自体は2017年1月にワシントンで開催された中露関係に関するワークショップで報告されたペーパーのうち、日本関連のものを集めたものです。拙稿は、タイトルのとおり、中国の台頭と日米同盟の観点から、日露関係を検討しています。

北方領土が一部でも日本に返還された場合のそれら島々における米軍の常駐・展開可能性の扱いに関する問題について、ドイツ統一時の旧東ドイツ領域の扱いや、NATO拡大時の新規加盟国の扱いの事例との比較を行ってみました。北方領土の軍事的地位という問題の解決抜きに領土の返還は実現しようにありませんで、その意味では、日露交渉であると同時に日米交渉が鍵であり、さらにその背景には、良好な米露関係も必要になるわけです。

2017/05/15

トランプ政権の誕生と欧州(『世界経済評論』寄稿)

鶴岡路人「トランプ政権の誕生と欧州ーー『トランプ現象』波及への懸念とバードン・シェアリング」『世界経済評論』(2017年3‐4月号)が刊行されました。「トランプ維新への疑問と現実」という特集です。


『世界経済評論』サイト:
http://www.fujisan.co.jp/product/1281687589/b/1464403/

欧州におけるトランプ政権への受け止め方は日本とは大分異なるようです。その最大の背景は、やはり、欧州の多くの諸国でポピュリズム、反エリート主義、反エスタブリッシュメントなどの政治勢力の台頭が深刻な問題となっており、「トランプ現象」が国内政治上の重大な懸念・脅威として認識されていることです。そのため、好き・嫌いは別として外交・安全保障面のプラグマティックな判断としてトランプ政権を受け入れ、具体的な政策マターに傾注する段階には至っていない国が多いのです。トランプ政権への日欧間の受け止め方の差異については、今後とも注目が必要です。

2017/05/14

『聞き書 緒方貞子回顧録』短評

野村健・納家政嗣編『聞き書 緒方貞子回顧録』(岩波書店、2015年)の短評を、東京財団のサイトに掲載しました。2016年末の「2016年に読んだおすすめの一冊」という企画(2016年12月22日)でした。この本、いろいろなところで人にすすめていまして、本当に好きな本です。


東京財団サイト:
https://www.tkfd.or.jp/research/research_other/d46bjf#tsuruoka

短評全文:
「日本外交の生き字引 緒方貞子氏の問いかけ」

上智大学教授、国連難民高等弁務官、JICA理事長などを歴任した緒方貞子氏は、国際関係、日本外交のまさに生き字引である。学生時代には東京裁判を傍聴している。そして、「この裁判は、戦勝国による敗戦国の審判に過ぎない」としつつ、「満州事変から日中戦争そして太平洋戦争に至る日本の外交政策の失敗は明白」であり、「それにかかわった政策決定者にはやはり責任があります」と明快に述べ、それが満州事変研究の動機だったと語るのである。若くしてこの鋭さとバランス感覚である。そして、「人権屋さんでも難民屋さんでもなかった」緒方氏は、それぞれの分野で世界の第一人者になる。

そうした活躍の根底にあるのはヒューマニズムなのかとの問いには、「そんな大それたものではない、人間としての普通の感覚」だと喝破する。耐えられない状況に放置された人間や凄惨な現場を見てきたという緒方氏は、「見てしまったからには、何かをしないとならないでしょう? したくなるでしょう? 理屈ではないのです」と語る。この国際主義、人道主義、そして同時に究極のリアリズムとプラグマティズムをわれわれはいかに引き継いでいけるのだろうか。重い宿題である。

2017/05/13

日英、日仏の安全保障・防衛協力

鶴岡路人「日英、日仏の安全保障・防衛協力――日本のパートナーとしての英仏比較」『防衛研究所紀要』第19巻第1号(2016年12月)が刊行されました(しばらく前ですが・・・)。防衛研究所のサイトからダウンロード可能です。


PDFへのリンク:
http://www.nids.mod.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j19_1_6.pdf

題目のとおり日英と日仏の安全保障・防衛協力を比較したものです。日英協力については、拙稿(RUSI Journal論文や、防衛研究所・RUSI共同研究など)を含め、さまざまな論考がすでに存在しますが、日仏安全保障・防衛協力については、これまでほとんど論じられてこなかった気がします。

また、日本では、英国がほぼ常に欧州の筆頭パートナーと認識される一方で、安全保障・防衛面でのパートナーとしてのフランスの認知度は低かったかと思います。しかし、アジア太平洋の安全保障へのコミットメントという観点では、フランスの存在を無視するわけにはいきません。そこで、今回の論文では若干意識的に日仏の側面に目を向けるようにしました。英仏を比較するなかで、日本の対欧州戦略に求められるものもみえてくるように思います。

2017/05/10

英国のEU離脱問題への視点(『CISTECジャーナル』寄稿)

鶴岡路人「英国のEU離脱問題への視点――欧州の政治と安全保障に何をもたらすのか」『CISTECジャーナル』(2016年11月号)が刊行されました。タイトルの通りでして、英国のEU離脱問題を、特に欧州の政治・安全保障へのインパクトの観点から分析しました。(これもかなり古い情報の共有ですみません。)

『CISTECジャーナル』サイト:
http://www.cistec.or.jp/journal/page/1611index.html

2017/05/07

'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy'

Michito Tsuruoka, 'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy', The International Spectator, Vol. 51, No. 3 (2016) was published in October 2016 (belatedly sharing it here...). It is a short commentary on the European Union Global Strategy (EUGS), released in June 2016.

The special issue begins with an interview with Nathalie Tocci, the main architect of the EUGS and a number of experts from across the EU and beyond have contributed commentaries based on it. For me, it was also an extension of the seminar on the EUGS that was held in Tokyo in March 2017, attended by Nathalie and others from the EU.

IAI website: http://www.iai.it/it/pubblicazioni/vol-51-no-3-september-2016
Taylor & Francis website: http://www.tandfonline.com/toc/rspe20/51/3



しばらく前になってしまいましたが、イタリア国際問題研究所(IAI)が刊行しているThe International Spectator (Vol. 51, No. 3, 2016)に、'Tokyo Wants a Stronger European Foreign Policy'と題した短いコメンタリーを掲載いたしました。2016年6月に発表された「EUグローバル戦略(EUGS)」に関するものです。同号巻頭にはEUGS起草で中心的役割を果たし、IAI副所長でもあるNathalie Tocciさんへのインタビューが掲載されていまして、各コメンタリーはそれを受けてのものです。

関連して上の写真は、EUGS作成プロセスの最中、2016年3月に東京で行われたEUGSに関するセミナーのものです。TocciさんをはじめとするEUからの方々と、きれいなお庭を見ながらよい意見交換ができました(彼らはお庭を背にして座っていたため、会議中に景色を楽しめたのは向かい側に座っていた日本側参加者のみだったのですが・・・)。

EUGS発表から1年近くが経過し、同戦略の履行が進んでいる分野もありますし、EUGS自体への言及は若干減ってきている印象もあります。EU外交の発展においてEUGSがいかなる役割を果たすことになるかについては、今後も注目です。

IAIサイト:http://www.iai.it/it/pubblicazioni/vol-51-no-3-september-2016
出版社サイト:http://www.tandfonline.com/toc/rspe20/51/3

2017/05/04

【ご挨拶】慶應義塾大学への移籍のご報告 Greetings: Moved to Keio University

皆様。

本ブログはしばらく更新をさぼっておりまして申し訳ございません。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。ご報告がすっかり遅くなってしまい申し訳ございませんが、今年3月末をもちまして、防衛省防衛研究所を退職いたしました。4月1日付で慶應義塾大学総合政策学部(湘南藤沢キャンパス:SFC)に准教授として着任いたしました。

防衛研究所に在職の8年間、皆様には大変お世話になりました。引き続きよろしくお願いいたします。新たな職場では、国際安全保障や欧州関連の講義や研究会を担当しております。引き続き、NATOやEUを中心に、欧州の政治や国際関係、さらには同盟や核政策に関わる問題に取り組んでいきたいと考えております。加えて、これまでとは異なり、教育面でも何か新しいことができればと思っているとことです。

慶應義塾大学SFCの教員紹介ページはこちらです。
鶴岡 路人

Dear all,

Greetings. Hope this finds you very well. I just wanted to let you know that I left the National Institute for Defense Studies (NIDS) at the end of March and started teaching at Keio University as an Associate Professor of the Faculty of Policy Management, based in Shonan Fujisawa Campus (SFC). 

I very much appreciate all your support during my tenure at the NIDS. Hope to stay in touch with you. At Keio, I am mainly teaching international security and European politics. While I will focus more on academic research and teaching, I will remain engaged in the policy community. Look forward to seeing you again soon.

You can find my new bio here (Keio University SFC's website).

Michito Tsuruoka



2016/10/09

NATOにおける核態勢の新展開――ワルシャワ首脳会合コミュニケを読む

鶴岡路人「NATOにおける核態勢の新展開――ワルシャワ首脳会合コミュニケを読む」『NIDSコメンタリー』(防衛研究所)第54号(2016年10月6日)が刊行されました。

2016年7月のNATOワルシャワ首脳会合では、バルト三国およびポーランドへの計約4,000名(4個大隊)の「事実上の」常駐に関する合意が注目されましたが、核抑止に関してNATOとしてどのようなメッセージを発するのかも、関係者の間では重要な論点でした。その背景には、ウクライナ危機以降相次ぐ、ロシアによる核の威嚇(nuclear sabre-rattling)」がありました。それにNATOとしていかに対応できるかが問われていたわけです。

結果として今回は、かなり直截的な表現が使われていまして、ロシアに対する非常に明確なメッセージになっています。「潜在的敵国の計算の複雑化」や、「敵対国に対して耐え難く、またそうした国が期待するであろう利益を大きく上回るコストを負荷」といった文言は、冷戦を彷彿とさせます。ロシアによる核の威嚇をこれ以上放置することはできないという、NATOの強い懸念と決意がうかがわれます。

同時に、NATOが本気になったということは、米国が本気になったということでして、この問題は、日本でもそろそろもう少し真剣に議論しないといけないかもしれません。

NATOワルシャワ首脳会合コミュニケの第53、54パラグラフが、核態勢に関する該当箇所です。両パラグラフは、拙稿文中で全訳していますが、英語の原文はこちらでご覧ください。

PDF:http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary054.pdf



2016/09/05

欧州における同盟、集団防衛、集団的自衛権(『国際安全保障』寄稿論文)

鶴岡路人「欧州における同盟、集団防衛、集団的自衛権――新たな脅威へのNATO、EUによる対応」国際安全保障学会編『国際安全保障』第44巻、第1号(2016年6月)が刊行されました。

9.11テロを受けたNATOによる北大西洋条約第5条(集団防衛条項)の発動と2015年11月のパリでの連続テロ事件を受けたEUのリスボン条約第42条7項(相互援助条項)の発動を事例に、欧州における集団防衛や集団的自衛権の実践について考えてみました。集団的自衛権に関する欧州と日本の理解の相違は、やはりかなり大きなものがありそうです。

今回は、「同盟関係の現在」という特集号でして、細谷雄一編集主任のもと、日米、米豪、米韓の各同盟に関する興味深い論考が掲載されています。

安全保障学会の会員の皆様には郵送されていますが、会員以外の方は、下記内外出版社のサイトで購入可能です。拙稿については、ご連絡いただければPDFをお送りいたします。目次は下記のとおりです。

内外出版株式会社販売サイト:http://www.naigai-group.co.jp/_2016/06/441.html


【目次】
  • 21世紀の同盟関係――日本の視座から (細谷雄一)
  • 「日米防衛協力のための指針」からみた同盟関係――「指針」の役割の変化を中心として (德地秀士)
  • 米豪同盟と中国――「二重のトレンド」の顕在化 (石原雄介)
  • 米国のアジア太平洋リバランス政策と米韓同盟――21世紀「戦略同盟」の三つの課題 (阪田恭代)
  • 欧州における同盟、集団防衛、集団的自衛権――新たな脅威へのNATO、EUによる対応 (鶴岡路人)

2016/08/28

The NATO vs. East Asian Models of Extended Nuclear Deterrence? (The Asan Forum)

Michito Tsuruoka, 'The NATO vs. East Asian Models of Extended Nuclear Deterrence? Seeking a Synergy beyond Dichotomy', Asan Forum, Vol. 4, No. 3 (May-June 2016) has been published and is available at the Asan Forum website.

URL: http://www.theasanforum.org/the-nato-vs-east-asian-models-of-extended-nuclear-deterrence-seeking-a-synergy-beyond-dichotomy/

The article compares the NATO and East Asian models of extended nuclear deterrence and explores how we can put the two in a more coherent framework of analysis - a spectrum of nuclear burden-sharing is something I wanted to introduce.


韓国のアサン政策研究所が隔月で刊行している英文オンラインジャーナルのAsan Forumに、「The NATO vs. East Asian Models of Extended Nuclear Deterrence? Seeking a Synergy beyond Dichotomy」を寄稿しました。

NATOと東アジア(日米、米韓)における拡大核抑止態勢の間には、当然のことながら大きな差異がありますが、それを踏まえつつも、「核抑止に関するバードン・シェアリング(nuclear burden-sharing)」という視点で、さまざまな具体的要素を一つの軸に入れられるのではないかと考えてみました。本文中にも掲載しましたが、それを簡単に図示すると以下のような感じです。上へいくほど、より深い・重いバードン・シェアリングになります。

核抑止に関するバードン・シェアリングのヒエラルキー



2016/07/31

英国離脱で弱体化の避けられないEU外交

鶴岡路人「英国離脱で弱体化の避けられないEU外交――新たなゲートウェイ探しを迫られる日本」をハフィントン・ポスト日本版ブログ(2016年7月12日)に寄稿しました。

記事URL: http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/brexit-eu_b_10934750.html


英国の国民投票直後に書いた「EU側から見た英国離脱の衝撃」(2016年6月30日)の続編です。同小文は、その後、7月5日に『朝日新聞』でも紹介していただきました。

英国のEU離脱問題は、日本でもかなり関心の高い状況が続きましたが、そろそろ落ち着いた感じかもしれません。しかしだからこそ、改めて、その背景や今後について検討を深めることが必要なのだと思います。引き続きフォローしなければならないトピックです。

2016/07/02

Europe's potential in addressing maritime security in Asia



It argues that Europe has a potential to play a substantial role in Asia's maritime security. Both Europeans and Asians need to realise Europe's potential.



ブリュッセルのシンクタンクEPC(European Policy Centre)のCommentaryのシリーズに、「アジアの海洋安全保障への対処における欧州の潜在性」と題した小文を寄稿しました。

アジアの安全保障における欧州の役割に関しては、アジア側でも欧州側でも懐疑的な議論が根強いことは事実です。それでも、欧州は実は大きな責任と潜在性を有しているという議論をしてみました。

EU側からみた英国離脱の衝撃

鶴岡路人「EU側からみた英国離脱の衝撃」を、ハフィントン・ポスト日本版のブログ(2016年6月28日)に寄稿しました。

記事URL: http://www.huffingtonpost.jp/michito-tsuruoka/analyze-brexit-from-viewpoint-of-eu_b_10710552.html


6月23日の英国での国民投票におけるEU離脱派の勝利は衝撃的でした。実際に英国がEUから離脱するにはまだ時間がかかりますし、今後の情勢次第では、最終的に離脱しない可能性を含め、紆余曲折が予想されます。

国民投票直後から、日本でも、離脱の決定を導いた英国国内の要因の分析はさまざまになされてきましたが、EU側がどのように捉えているのか、そしてEU内の政治力学にどのような影響を及ぼすことになるのかについては、まだまだ議論が不足しているようです。そこで、EU側からみた英国離脱について小文を書いてみました。

離脱となれば英国にとって大きな変化になるのは当然ですが、もしかしたらEUにとっての変化の方が大きいのかもしれません。それだけ、EUにおける英国は大きな役割を果たしてきた主要国だったのです。

2016/06/07

NATO's Challenges as Seen from Asia (Polish Quarterly of International Affairs)

Michito Tsuruoka, 'NATO's Challenges as Seen from Asia: Is the European Security Landscape Becoming Like Asia?' The Polish Quarterly of International Affairs, Vol. 25, No. 1 (2016) has just been published from PISM (Polish Institute of International Affairs) in Warsaw. It is a NATO summit special issue, compiling a series of articles on NATO, including those by my friends and colleagues.

My argument is simple, as shown in the subtitle of my article, though I did not need to put the question mark. The European security landscape and security challenges in Europe are indeed becoming like Asia. Europe now has to deal with such challenges as change of the status quo by force, hybrid warfare, nuclear intimidation, adversaries' A2AD capability, etc. Asians have been quite familiar with those challenges...

Should you need a PDF of my article, please let me know. More information available below.

http://www.pism.pl/publications/journals/The_Polish_Quarterly_of_International_Affais/2016/1


ポーランド国際問題研究所(PISM)刊行のThe Polish Quarterly of International Affairsの最新号に、小文「アジアから見たNATOの課題――欧州の安全保障環境はアジアに類似してきているのか?」を掲載しました。今回はNATO首脳会合特集号でして、NATO関連の論文が多数掲載されています。目次は下記で見られます。

http://www.pism.pl/publications/journals/The_Polish_Quarterly_of_International_Affais/2016/1

内容は副題のとおりでして、力による現状変更、ハイブリッド戦争(グレーゾーン事態)、核による威嚇、敵対勢力によるA2AD能力の向上等、欧州安全保障の課題は、アジアが以前から悩まされてきた課題に似てきました。だからこそ、欧州とアジアの間で今まで以上に真剣な対話と協力が必要になるわけです。

拙稿のみPDFがありますので、ご入用の方はご連絡くださいませ。


2016/03/27

The Role of the EU and NATO for Japan's Security (KAS Japan Conference)

Konrad Adenauer Stiftung (KAS) Japan office hosted a conference 'The Role of the EU and NATO for Japan's Security' on 9 March in Tokyo, where I gave a talk on NATO-Japan relations. The agenda and selected slides from the conference (including mine) can be found below.

URL: http://www.kas.de/japan/en/events/67274/




(Photos: KAS Japan)

2016/03/26

ブリュッセルでのテロ事件(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

3月22日にブリュッセルで発生した連続テロ事件を受けて、3月23日のTBSラジオ「荻上チキ・Session22」に、放送大学教授の高橋和夫先生とともに出演し、議論しました。しばらくの間、下記サイトで聴くことができます。

サイト: http://www.tbsradio.jp/16595
Podcast: http://podcast.tbsradio.jp/ss954/files/20160323main.mp3

(写真:TBSラジオ)

リスボン条約第42条7項

鶴岡路人「リスボン条約第42条7項――パリ同時テロ事件を受けたEUにおける対応」『NIDSコメンタリー』第51号(2016年2月10日)が刊行されました。防衛研究所のサイトからダウンロード可能です。

PDF全文:

リスボン条約(EU条約)第42条7項の「相互支援条項」は、武力侵略発生時の集団防衛を規定した条項です。しかし、発動のための手続きや発動された際の履行についての規定が全くないばかりか、EU条約の規定であるにもかかわらず、EUの役割が条約上は一切存在しないなど、いろいろな意味で特殊な条項です。

この条項が実際に使われる日が来るとも、ほとんど考えられていなかったようですらあります。それだけに、今回の史上初めてとなる発動は、さまざまに検討する必要があるのでしょう。そのための最初の一歩として、現時点で考えられることをまとめてみました。


2015/12/27

パリ連続テロ事件を受けた欧州・中東情勢(BSフジ「プライムニュース」)

12月4日(金)にBSフジの「プライムニュース」に出演し、パリ連続テロ事件を受けた欧州情勢についてお話しました。主要部分の抜粋のテキストが番組のサイトに掲載されています。特集は、「場外乱闘 露VSトルコ 対『イスラム国』暗雲」という、何とも刺激的なタイトルでして、前外務副大臣の城内実衆議院議員、同志社大学教授の内藤正典先生とご一緒させていただきました。

当初は、パリでのテロ事件を受けた欧州の対応とシリア情勢という問題設定だったのだと思いますが、11月24日にトルコによるロシア機撃墜事件が発生したため、結果として「場外乱闘」の部分が大きくなった感じです。

テキストアーカイブ:http://www.bsfuji.tv/primenews/text/txt151204.html

(写真:BSフジ)

細谷雄一編『戦後アジア・ヨーロッパ関係史』

細谷雄一編『戦後アジア・ヨーロッパ関係史――冷戦・脱植民地化・地域主義』(慶應義塾大学出版会、2015年)が刊行されました。私は、第11章「冷戦と日欧政治・安全保障関係」を寄稿いたしました。慶應義塾大学東アジア研究所のプロジェクトとして2012年から共同研究してきたものの成果です。お手にとっていただければ幸いです。

慶應義塾大学出版会サイト:
https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766422894/
Amazonco.jpサイト:
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766422899/keioup-22


上の写真には入っていませんが、本の帯(および序章)では「戦後国際政治史を問い直す」と大きく掲げられています。目次は以下のとおりです。

【目次】

序章 戦後国際政治史の新しい視角(細谷雄一)
第1章 西側同盟のグローバル化
     ――ヨーロッパ冷戦からアジア冷戦へ(細谷雄一)
第2章 フランスと東アジア、1945-1951年
     ――「第二次世界大戦の論理」と「冷戦の論理」のはざまで(宮下雄一郎)
第3章 イギリスと東アジア、1945-1948年
     ――英中友好通商航海条約交渉を中心に(林大輔)
第4章 コモンウェルスの絆
     ――マクミラン首相のアジア歴訪、1958年(小川浩之)
第5章 帝国の終焉と同盟の解体
     ――イギリスの脱植民地化政策とSEATO(水本義彦)
第6章 イギリスの核不拡散政策とインド、1964-1968年(小林弘幸)
第7章 「一つの中国」と東西ドイツ
     ――中国と西ドイツの国交正常化(福田円)
第8章 東西ドイツ関係と日本――1966-1981年(鈴木均)
第9章 似て非なる関係
     ――南北朝鮮、東方政策、EC諸国、1969-1975年(山本健)
第10章 地域間関係の制度化
     ――ECのASEAN政策、1975-1980年(黒田友哉)
第11章 冷戦と日欧政治・安全保障関係(鶴岡路人)

あとがき
索引
 

2015/11/01

ヨーロッパへどのように発信するか

鶴岡路人「ヨーロッパへどのように発信するか―-パブリック・ディプロマシーの方策と課題」『EUSI Commentary』第62号(2015年10月26日)がEUSI東京のサイトで公開されました。

URL: http://eusi.jp/mail-magazine/commentary/commentary_062/
URL (PDF): http://eusi.jp/wp-content/uploads/2015/10/EUSI-Commentary-vol62.pdf

最近、国際会議等でヨーロッパ人相手に日本やアジアについてお話することが少なくありませんで、パブリック・ディプロマシーとしての発信について日頃考えていることをまとめてみました。何が重要なのか、どのような落とし穴が存在するのか。まだまだ試行錯誤の連続でして、これからも模索を続けていきたいと思います。


2015/10/08

『グローバル安全保障のためのパートナー――日英防衛・安全保障関係の新たな方向』

ジョナサン・アイル、鶴岡路人、エドワード・シュワーク編『グローバル安全保障のためのパートナー――日英防衛・安全保障関係の新たな方向』国際共同研究シリーズ12(防衛省防衛研究所、2015年9月)が刊行されました。全文が防衛研究所のサイトからダウンロード可能です。

これは、英RUSI(英王立防衛安全保障研究所)と防衛研究所による共同研究の成果でして、RUSIから4名、防研から3名の研究者が執筆を担当しました。

防研サイト(日本語版):
http://www.nids.mod.go.jp/publication/joint_research/series12/series12.html
RUSIサイト(英語版):
https://rusi.org/publication/whitehall-reports/partners-global-security-new-directions-uk-japan-defence-and-security

【目次】
序章  日本と英国―戦略的関係のためのアジェンダ (ジョナサン・アイル)
第1章  安倍政権下の日本の防衛・戦略態勢 (佐竹 知彦)
第2章  アジア太平洋地域における英国の安全保障政策(エドワード・シュワーク)
第3章  アジアと欧州の海洋安全保障 (ピーター・ロバーツ)
第4章  アジアおよび世界における日本の防衛外交 (鶴岡 路人)
第5章  アフリカの平和・安定に向けた日英協力 (神宮司 覚)
第6章  日英防衛装備協力の展望 (トレバー・テイラー)
終章  日英協力の課題と行方 (鶴岡 路人)


A Japanese version of the RUSI-NIDS joint publication on the UK-Japan defence and security relationship is now available at the NIDS website here. An English version was published by RUSI in August 2015 and available at the RUSI website here.