鶴岡路人「リスボン条約第42条7項――パリ同時テロ事件を受けたEUにおける対応」『NIDSコメンタリー』第51号(2016年2月10日)が刊行されました。防衛研究所のサイトからダウンロード可能です。
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リスボン条約(EU条約)第42条7項の「相互支援条項」は、武力侵略発生時の集団防衛を規定した条項です。しかし、発動のための手続きや発動された際の履行についての規定が全くないばかりか、EU条約の規定であるにもかかわらず、EUの役割が条約上は一切存在しないなど、いろいろな意味で特殊な条項です。
この条項が実際に使われる日が来るとも、ほとんど考えられていなかったようですらあります。それだけに、今回の史上初めてとなる発動は、さまざまに検討する必要があるのでしょう。そのための最初の一歩として、現時点で考えられることをまとめてみました。