ハフポスト日本版に「イギリスのTPP参加?まずは『ソフトBrexit』実現が優先課題」(2018年11月19日)と題した小文を掲載しました。
EU・英国間の離脱交渉はひとまず妥結したものの、英国議会での離脱協定の承認は難航しそうな状況です。そのためまだ今後どうなるか分かりませんが、並行して、英国のEU離脱後のTPP参加の問題が、日本でもときおり話題になっています。日本国内では、英国のTPP参加を歓迎する、ないしさらに踏み込んでそれを「促す」といった声が聞こえます。
しかし、そもそもEU離脱後の英国がTPPに入れるほどの貿易政策の自由度を得られるか否かは、EUからの離脱の形態次第であり、TPPに参加できるということは、EU単一市場・関税同盟との関係が弱くなるということです。これは、いわゆる「ハードBrexit(離脱)」でして、英国に進出した日本企業の利益には反します。つまり、日本の立場として、「英国のTPP参加を支持する・促すこと」と、「日本企業に(Brexitによる)影響が出ないようにする」ことは全く両立しないのが現実です。
そのことは英国自身がもちろん分かっていまして、だからこそ実はTPP参加についても、「潜在的に」その可能性を追求するといっているに過ぎません。まずは英国が、TPPに参加できないほどにEU単一市場・関税同盟と緊密な関係を維持してもらうように期待したいところです。
しばらくこのブログの更新をさぼっておりました・・・。今後、過去の刊行物を含めて、さかのぼって順次アップしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。