Welcome to Michito Tsuruoka's blog. This space is mainly used to announce my new publications.

2020/03/31

欧州のインド太平洋戦略(『外交』寄稿)

鶴岡路人「欧州のインド太平洋戦略ーー大国間競争時代のEU」『外交』Vol. 60(2020年3・4月号)が刊行されました。

欧州のインド太平洋戦略とはいっても、「欧州」に単一の戦略があるわけではありませんし、仮にその萌芽のようなものがあったとしても、現在は新型コロナウイルスへの対応でそれどころではありません。拙稿では、パンデミックについては全く触れていませんが、それが終息した後の世界は、従来よりもEUにとってさらに厳しいものになっているのではないでしょうか。その意味でも、まずはその基礎条件としての論点を整理しておくことも有用かと思っています。Brexitの影響にも触れております。『外交』の今号は、下記のように全文が無料公開されていますので、この機会にご笑覧いただければ幸いです。






今回は主特集が中東情勢、小特集がヨーロッパです。小特集では、遠藤乾先生の「再定義される欧州 2020年代のEU像」、正木靖外務省欧州局長のインタビュー「駆動する『連結性』の外交戦略」などが掲載されています。

通常は掲載記事のうち数本のみがウェブで無料公開されるのですが、今回は、新型コロナウイルスのために外出が難しい人への配慮として、出版元の都市出版社のウェブサイトで、全ての記事が公開中です。PDFで無料ダウンロード可能です。この機会に是非どうぞ。



2020/03/24

同盟とDNA(『三田評論』)

鶴岡路人「同盟とDNA」『三田評論』(2020年3月号)が、三田評論ONLINEにアップされました。「同盟って何だろう」という文脈で日頃考えていることを随筆的に書いた短いコラムです。

URL:https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/researchers-eye/202003-3.html




同盟をDNA(血や人種)に還元させすぎるのは危険ですし、現実にも合致しませんが、他方でやはり無視できないのではとの思いをずっと持ってきました。米英関係を見てもそうですし、米豪関係もそうです。昨年11月に豪州を訪れたときに、「豪州にとっての対米同盟はDNAの一部ではないか?」と皆さんに質問し続け、またいろいろと考えることができました。

「日本をアジアの英国に」という議論は、米国でも一時流行りましたが、私は一貫して懐疑的です。日米同盟は、いわば「DNAではない同盟」の挑戦として画期的なのだと考えています。

2020/03/22

『EU離脱』(ちくま新書)の紹介掲載

拙著『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)の紹介記事が新聞・雑誌にいくつか掲載されました。掲載順に下記のとおりです。






いずれも短いながらも的確かつ好意的な紹介でありがとうございます。『週刊文春』の紹介では、「リアルタイムで情勢を追っていた著者の書きぶりには一抹の狼狽が滲み出ていて、それがなおさら事の深刻さを物語る」とも。実際にお読みいただいた感じがでていて、嬉しいです。

また、インターネット上での書評・紹介もいくつか見つけました。このように丁寧にお読みいただけるのは書き手として最も幸せなことです。ありがとうございます。



2020/03/15

Why Asia needs to worry about transatlantic tensions (ThinkChina)

Michito Tsuruoka, "Why Asia needs to worry about transatlantic tensions," ThinkChina, 13 March 2020 is now available online. ThinkChina is a e-magazine by Singapore's Lianhe Zaobao, launched in autumn 2019.

Article URL: https://www.thinkchina.sg/why-asia-worry-transatlantic-tensions


This is a revised version of what wrote for Taiwan's Liberty Times (自由時報) in February 2020 in Chinese.

See blog post: http://mtsuruoka.blogspot.com/2020/02/blog-post.html

シンガポールの『聯合早報』が2019年秋にスタートした英語のEマガジン「ThinkChina」に、「Why Asia needs to worry about transatlantic tensions」と題して小文を寄稿しました。

2020/03/12

Competing Visions of Japan’s International Engagement (The International Spectator)

Michito Tsuruoka, "Competing Visions of Japan's International Engagement: Japan First vs Global Japan," The International Spectator, Vol. 55, No.  (2020) is now available.

URL: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/03932729.2020.1712135

[Abstract]
The state and direction of Japan’s international engagement can best be understood as a competition between the ‘Japan first’ and ‘global Japan’ schools of thought. In light of the ever worsening security environment surrounding Japan, the gap between the Japan first school advocating a focus on the immediate needs of Japan’s territorial defence and the global Japan school arguing for more global engagement is widening. The competition between the two will continue to shape the direction of Japan’s foreign and security posture – and importantly, the global Japan school is far from winning, contrary to what Abe’s hyperactive diplomacy might suggest.


An earlier and shorter version appeared as Michito Tsuruoka, "Japan First Versus Global Japan," The National Interest, 14 January 2018.

The International Spectator誌に、"Competing Visions of Japan's International Engagement: Japan First vs Global Japan"と題した論文を寄稿しました。日本の外交安全保障、特に国際的関与の方向性は、「Japan First」と「Global Japan」という2つの基本的立場のせめぎ合いとして理解できるという趣旨です。このテーマは、引き続き深めていくことができればと考えています。