URL: https://thediplomat.com/2020/09/shinzo-abes-legacy-in-japan-europe-relations/
From Michito Tsuruoka
鶴岡路人のブログへようこそ。ここでは主に論文等の刊行物を紹介しています。
Welcome to Michito Tsuruoka's blog. This space is mainly used to announce my new publications.
2020/09/28
Abe Shinzo's Legacy in Japan-Europe Relations (The Diplomat)
2020/09/24
イギリスの「アジア回帰」(マレーシア『星洲日報』寄稿)
鹤冈路人「英国“回归亚洲”——会带来什么、有何值得期待?」『星洲日报』(2020年9月17日)
URL: https://www.sinchew.com.my/content/content_2344336.html
マレーシアの中国語紙『星洲日報』に、英国の「アジア回帰」について寄稿。日本語オリジナル原稿は下記。
*****
(日本語オリジナル:未公刊につき無断引用禁止)
英国の「アジア回帰」――何をもたらすか、何を期待するか
鶴岡 路人(慶應義塾大学准教授)
今年1月末にEUを離脱した英国は、「グローバル・ブリテン」との標語の下に、欧州以外との関係の強化をはかっている。そこで重視されているのが、地域としての重要性が増すアジアへの関与強化であり、それは英国の「アジア回帰」といってもよい。以下では、英国側の事情を踏まえ、その受け手であるアジアにとっての論点を考えたい。
EU離脱後の関係強化の主たる対象として当初想定されていたのは米国だったが、自由貿易協定(FTA)交渉を含め、「米国第一」のトランプ政権との関係強化は進んでいない。その結果、アジアとの関係の優先順位が上昇した。日本とのFTA交渉は近く合意される見通しである他、豪州、ニュージーランド等との交渉が始まっている。その先に目指されているのはCPTPP(11カ国による環太平洋パートナーシップ)への参加である。
外交・安全保障面の関与も拡大の方向である。英国政府は目下、外交・安全保障・防衛政策の統合レビューを行っており、そこでキーワードの一つは、「インド太平洋傾斜(tilt to the Indo-Pacific)」である。近く就役する英海軍の新型空母「クイーン・エリザベス」は、初の遠洋ミッションでアジアへの展開が予定されている。さらに、2隻就役する空母のうち1隻をアジアに常駐させる案も報じられている。
ただし、EU離脱や新型コロナウイルスの感染拡大にともなう経済的損失を受け、今後、インド太平洋への政治的・軍事的関与にどこまでリソースを割くべきかについては、英国内でも厳しい議論が行われるだろう。その意味で、アジア回帰の行く末はまだ分からない。
他方で、英国の回帰を受け入れる側のアジアで、それをいかに捉えるか、何を懸念し、何を期待するかについての議論は深まっていない。これの状態は望ましくない。アジアの側からもしっかりと意思表明をする必要がある。主要な論点は以下の3点である。
第1に問うべきは、米中関係に照らしての英国の立ち位置であろう。南シナ海などでの中国の動きがより強硬になるなかで、東南アジア諸国にとっても、域外の主要国の関与を引き出すことは、中国に対する戦略的メッセージになる。他方で、米国の圧力も避けたい。米中対立に巻き込まれたくないと考えるのは自然である。
では英国は、米国と同じ立場なのか。米国に代わって「どちらを選ぶのか」を強制するだけなのか。米国と異なるとすれば、どのような点においてそうなのか。現実の米英間には、共通点と相違点がともに存在しており、アジアの側はそれを見極めることが求められる。
第2に、英国のアジア回帰において、価値を共有し、ともに米国の主要同盟国である日本や、歴史や文化、言語を含めて伝統的なつながりのある豪州が柱となるのは自明である。ただし、アジア太平洋であってもインド太平洋であっても、地理的に重要な場所に位置するのは東南アジアである。日本と豪州のちょうど中間である。これが意味することは、東南アジアと連携しない限り、英国のアジア回帰は完結しないという現実である。東南アジアの側から、英国に対して、この点をリマインドし続ける必要がある。
第3に、上記の2点を踏まえ、英国のアジア回帰を、アジア側として、いかに主体的に使うことができるかが重要である。政治・安全保障面では、中国の強硬姿勢に抵抗する際、米国(や日本)以外にも関心を有する主要国が存在することの意味は小さくない。経済面では、コロナウイルス危機を受けて、グローバルサプライチェーンの多角化、より端的には脱中国依存が世界的な重要課題になっている。アジア諸国とのFTAやCPTPP加盟に関しても、多角化は英国の主要な目標の1つである。これは中国以外のアジア諸国にとって大きなチャンスになり得る。
こうした具体的な経済利益から、米中対立を踏まえた戦略的視点まで、英国の方針に反応するのではなく、アジアの側から発信していくことが、今後はこれまで以上に求められている。英国のアジア回帰は、英国のものであると同時に、アジアのものである。
(2020年9月6日脱稿)
2020/09/19
メディア引用まとめ(日英FTA、香港問題等)
ここ数カ月の新聞等メディアの記事での引用をまとめて掲載。
- "How economically significant is the UK-Japan trade deal," The Telegraph, 11 September 2020.(日英FTA大筋合意に関するコメント引用)
- "Why Japanese Prime Minister Shinzo Abe’s resignation is unlikely to change approach to China," South China Morning Post, 28 August 2020.(ポスト安倍の日中関係についてのコメント引用)
- "Cheese proves to be biggest stumbling block in UK-Japan trade negotiations," The Telegraph, 15 August 2020.(日英FTA交渉妥結の見通しについてのコメント引用)
- "Merkel looks east as ties fray between Germany and U.S.," Politico.eu, 7 July 2020.(欧州・中国関係についてのThe Diplomat寄稿論考が引用)
- 「中国、香港国家安全法成立 香港自治の分水嶺に」『毎日新聞』(2020年7月1日)。(香港国家安全維持法成立への英国、EUの対応についてコメント欄)
- "UK eyes £15bn trade boost from deal with Japan," The Telegraph, 19 May 2020.(日英FTA交渉の見通しについてのコメント引用)
2020/09/18
EU-Japan cooperation on defence capabilities: possibilities?
2020/09/16
A Very British Dodge on Huawei (The Diplomat)
URL: https://thediplomat.com/2020/08/a-very-british-dodge-on-huawei/
2020/09/13
イギリスのファーウェイ排除――政府報告書にみる連続性(笹川平和財団IINA寄稿)
鶴岡路人「イギリスのファーウェイ排除――政府報告書にみる連続性」笹川平和財団IINA(2020年7月28日)が公開されました(若干遅ればせながらの紹介・・・)。
記事URL:https://www.spf.org/iina/articles/tsuruoka_14.html
2020/08/23
慶應義塾大学SFCオープンキャンパス模擬授業/Keio SFC Open Campus lectures
8月21日は、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)のオープンキャンパスでした。ただ、この状況下ですので全てオンラインでの開催。それでも、多少なりとも臨場感を出すために(?)、私が担当の模擬授業は、日本語、英語ともにSFCの教室から配信。ほとんどのコンテンツは、下記でみることができます。
https://www.opencampus.sfc.keio.ac.jp/
日本語は、「国際政治を学ぶ」と題して、主に高校生を対象に、①使う地図によって見える世界が異なる、②世界各地の動きはつながっている、③報道に頼らず生の資料を読んでみよう、というお話。
URL: https://www.youtube.com/watch?v=tnesugiDR5E&feature=youtu.be
英語は、「Japan in the World: Global Japan vs. Japan First」と題して、日本の対外的関与・役割を巡る日本国内の議論や立場の違いについて話題提供。
URL: https://www.youtube.com/watch?v=B_lhN2ratYY&feature=youtu.be
I gave a lecture at Keio SFC Open Campus on 21 August 2020, titled "Japan in the World: Global Japan vs. Japan First."
[Synopsis]
How do you make sense of the role of Japan and its foreign and security policy in the world? Some would argue that Japan is becoming more active and its mid-set more global. Others might point out that Japan, as a declining power, is more preoccupied with its immediate security challenges and becoming less engaged globally. There exist both elements and the two schools - "global Japan" and "Japan first" - are competing everyday. This competition will shape the direction of Japan's international engagement. Which camp do you think is winning?
The lecture was based on my pieces in the following.
- Michito Tsuruoka, "Japan First Versus Global Japan," The National Interest, 14 January 2018.
- Michito Tsuruoka, "Competing Visions of Japan's International Engagement: Japan First vs Global Japan," The International Spectator, Vol. 55, No. 1 (2020).
2020/07/12
「合意なき移行期間終了」は回避できるか――Brexitカウントダウン番外編(2)
全文URL:https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3464
EUと英国は、2020年末までの移行期間を延長しないことで合意(延長しないとの英国の判断をEUが受け入れ)。これを受けて、FTA交渉を含む、EU・英国間の交渉が加速することになりました。実際、久しぶりの対面で交渉など、新たな動きがありますが、先行きはまだまだ油断できません。合意後の批准作業などを考えて、最終的な交渉期限hあ10月末と言われています。そこから逆算しての交渉が始まるのでしょう。
何らかの合意が成立する公算は高くなっていますが、どの範囲まで合意され、どのような「積み残し」が生じるのか。この点が今後の注目点になりそうです。
2020/07/04
China isn't losing Europe yet (The Diplomat)
2020/06/27
在ドイツ米軍削減計画――軍事的合理性と政治的衝動の衝突(笹川平和財団IINA寄稿)
2020/05/20
米戦略爆撃機のグアム撤退(『自由時報』寄稿)
台湾の『自由時報』に米戦略爆撃機のグアムからの撤退についての小文を寄稿しました。オリジナルを日本語で書き、中国語に翻訳してもらったものです。ご参考までに日本語版は以下のとおりです(中国語版からは副題が省かれてしまいました)。
*****
(日本語オリジナル:未公刊につき無断引用禁止)
米戦略爆撃機のグアム撤退で求められるもの
――説明の一貫性と抑止態勢の全体像のなかでの議論が不可欠
鶴岡 路人(慶應義塾大学准教授)
2020年4月16日、「常時爆撃機展開ミッション(continuous bomber presence mission)」の一環としてグアムのアンダーセン空軍基地に展開していた戦略爆撃機、B-52が米本土に向けて飛び立った。これにより、2006年から継続されていた戦略爆撃機のグアムへの常時展開が終了した。最後の帰還フライトのコールサインは、ユーモアたっぷりに「SEEYA(See ya:またね)」だった。
米国によれば、これは、2018年の米国防戦略(National Defense Strategy)で示された「動的戦力運用(Dynamic Force Employment: DFE)」の実践との位置づけである。DFEでは、戦略的柔軟性と行動の自由が重視されており、変化する戦略環境のなかで、より柔軟に、積極的に、そして規模を調整して必要な場所に戦力を投入することが目指されている。作戦面においては、敵に対する予測不能性を高めることも目的の一つである。
米戦略軍によれば、今後は前方展開ではなく、「我々の選択するタイミングと頻度で」米本土からアジア太平洋地域に爆撃機を派遣することになるという。そして、同地域への米国のコミットメントは揺るがないことが強調されている。
(2020年5月2日脱稿)
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2020/05/18
『EU離脱』の要約とトーク
flier:https://www.flierinc.com/summary/2254
voicy:https://voicy.jp/channel/794/79805
最近、本の要約が国際的に流行っていますね。忙しくてなかなか読めない人にとって、それで内容が一通り理解できることは、特に話題になっているビジネス書や教養書に関しては便利ですよね。読まずに「知ったか」できるわけです。そんなことを書くと、ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』(ちくま学芸文庫、2016年)を思い出してしまいます。
ただ、このビジネスの深いところは、要約では飽き足らずに、本を手にとってくれる人が一定数いることなんですね。だからこそ出版社も著者も、こうした要約ビジネスに協力するわけです。筑摩書房自身、「webちくま」というサイトで新刊書の一部を公開しています。他の出版社も類似の企画が少なくありません。拙著の場合も、以前このブログでもお知らせのとおり、「webちくま」で「はじめに」が全文公開されていますし、JBpressにも要約が掲載されています。それらが売り上げにどのように貢献したかは、少なくとも著者には分かりませんが・・・。
ところでvoicyの「荒木博行のbook cafe」のアラキ(荒ちゃん=flierのCOO)は、実は大学の学部時代のゼミの同期です。卒業から20年以上たって、このような形でまた接点があるのは嬉しいことです。ということで、このvoicyは、本の紹介というよりは、昔の話がメインという感じですね。
2020/05/02
イギリスの新型コロナウイルス対策に影を落とす対EU、対中国関係
全文URL:https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3398
連載「Brexitカウントダウン」が今年1月に終了してから、久しぶりの東京財団政策研究所サイトへの寄稿になりました。Brexitは実現したものの、「Brexitは終わっていない」というのが実際のところです。
今回の新型コロナウイルス対策においても、人工呼吸器などのEUでの共同調達計画への参加問題がBrexitとの関係で政治的争点になり、また、たとえ感染が下火になっても経済的損害が膨大なものになることが確実ななかで、経済的にはさらなるダメージになるうえに、各種の非常事態計画が必要となる「合意なき移行期間終了」に本当に突き進むつもりなのか。ジョンソン政権の対応が問われています。
2020/04/23
「どうした!?英国」(国際政治チャンネル)
君塚先生の『エリザベス女王』(中公新書)と拙著『EU離脱』(ちくま新書)の刊行を受けて、あわせて英国について大いに語り合うという企画でした。「国際政治チャンネル」にお邪魔するのは初めてでして、今一つ勝手が分からない部分もありましたが、楽しかったです。関係者の皆様、そして、ご覧いただいた方々、ありがとうございます。
2部構成でして、前半の1時間ちょっとが無料、後半が有料です。私のBrexitの話は主に後半なのですが、前半部分はYouTubeでも公開されています。
ニコニコURL:https://ch.nicovideo.jp/morley/video/so36613183
YouTube URL:https://www.youtube.com/watch?v=jQ4sY8ynp1I&t=4s
2020/04/22
「新型コロナウイルス 感染拡大で亀裂深まるEU」(NHK・BS1)
時間の関係もあり、あまり深い部分には入れませんでしたが、非常にうまく編集していただきました。そして、ほとんどそのまま文字起こしされたものが、記事としてNHKのサイトに掲載されています。
記事URL:https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/catch/archive/2020/04/0420.html
2020/04/07
新型コロナウイルスに直面するEU
URL:https://www.spf.org/iina/articles/tsuruoka_12.html
新型コロナウイルスに関して、欧州についても、イタリアやスペインの現状などについては、日本でもさまざまに報じられています。しかし、EUの姿はほとんど見えず、話題になるのはEU内でのマスクの奪い合いといったような状況でして、「EUは何をしているのだ」との思いが私自身、募っていました。
そこで、とりあえずの観察としてIINAに小文を寄せました。その中でも触れた「コロナ債」に関する議論の行方は、引き続き注目です。人命が直接に関わるなかで、EUの結束の真価が問われています。
2020/04/05
The Shape of a Japan-UK Free Trade Agreement
Article URL: https://thediplomat.com/2020/04/the-shape-of-a-japan-uk-free-trade-agreement/
Also reprinted as Michito Tsuruoka, "The Shape of a Japan-U.K. free trade agreement: Should the aim be limiting damage or designing a bold future?" The Japan Times, 4 April 2020.
Article URL: https://www.japantimes.co.jp/opinion/2020/04/04/commentary/japan-commentary/shape-japan-u-k-free-trade-agreement-2/#.XoljNcj7RPY
There is a trade-off between (1) making the agreement ready on time, thus limiting damage and (2) designing a bold future by showing a new model of the economic partnership between advanced and mature economies. It all depends on the outcome of the EU-UK negotiations. Trade negotiators in Tokyo do not want to conclude a definitive deal with London before knowing the final shape of the EU-UK economic partnership - thus they remain in the wait-and-see mode.
世の中、新型コロナウイルス対応でそれどころではありませんが、Brexit後の日英関係の焦点の一つである日英FTAについて、日本の観点で論点を整理してみました。
移行期間終了時点で日英間の枠組みが消滅することを避けるために、「とりあえず」の協定を結ぶのか、これを好機として、今後の世界の先進国間の経済連携のモデルとなるような野心的な協定を目指すのか。後者の場合は、交渉に時間がかかるために、その前段階として、「とりあえず」の協定を締結する必要が生じるかもしれませんが、日本側では、いかなるFTA(EPA)でも、国会の承認を得なければならないとの事情があり、これを2度も行うのは避けたいとの考慮もあります。
そのため、まずはEU・英国間のFTA交渉がどうなるのか、2020年末までの移行期間が延長されるか否かなどを見極める必要があるというのが基本的姿勢なのだと思います。EU・英国間交渉もコロナウイルスの影響でほとんど停止していますし、日英間では正式な交渉入りができていません。遠隔でのビデオ会議でも、ある程度の話し合いはできますが、FTA交渉は、いくつものセッションが同時並行する大規模なものであり、例えば1週間、朝から晩まで集中的に行うようなものですので、ビデオ会議だけではなかなか厳しそうです。
日英FTAについては、時機を見て日本語でも何か書ければと思っていますが、とりあえずは、The DiplomatないしThe Japan Timesの英文コメンタリーをご覧いただければと思います。
2020/04/01
『EU離脱』書評掲載(『外交』)
4頁にわたる素晴らしい書評で、著者の意図を汲み取っていただいたのみならず、それを超えた新たな意義づけをしてもらったようでもあり、嬉しい限りです。ありがとうございます。
- 『外交』目次(全ての記事が無料でダウンロード可能です!):http://www.gaiko-web.jp/archives/2656
- 書評URL:http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/03/Vol60_p140-143_bookreview.pdf
2020/03/31
欧州のインド太平洋戦略(『外交』寄稿)
欧州のインド太平洋戦略とはいっても、「欧州」に単一の戦略があるわけではありませんし、仮にその萌芽のようなものがあったとしても、現在は新型コロナウイルスへの対応でそれどころではありません。拙稿では、パンデミックについては全く触れていませんが、それが終息した後の世界は、従来よりもEUにとってさらに厳しいものになっているのではないでしょうか。その意味でも、まずはその基礎条件としての論点を整理しておくことも有用かと思っています。Brexitの影響にも触れております。『外交』の今号は、下記のように全文が無料公開されていますので、この機会にご笑覧いただければ幸いです。
今回は主特集が中東情勢、小特集がヨーロッパです。小特集では、遠藤乾先生の「再定義される欧州 2020年代のEU像」、正木靖外務省欧州局長のインタビュー「駆動する『連結性』の外交戦略」などが掲載されています。
通常は掲載記事のうち数本のみがウェブで無料公開されるのですが、今回は、新型コロナウイルスのために外出が難しい人への配慮として、出版元の都市出版社のウェブサイトで、全ての記事が公開中です。PDFで無料ダウンロード可能です。この機会に是非どうぞ。
- 都市出版ページ:http://www.gaiko-web.jp/archives/2656
- 外務省ページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/gaikou/vol60.html
2020/03/24
同盟とDNA(『三田評論』)
URL:https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/researchers-eye/202003-3.html
2020/03/22
『EU離脱』(ちくま新書)の紹介掲載
- 『週刊東洋経済』(2020年3月14日号)、103頁「新書Summing Up」
- 『日本経済新聞』(2020年3月21日朝刊)、14面「新書」
- 『週刊文春』(2020年3月26日号)、109頁「文春図書館推薦」
いずれも短いながらも的確かつ好意的な紹介でありがとうございます。『週刊文春』の紹介では、「リアルタイムで情勢を追っていた著者の書きぶりには一抹の狼狽が滲み出ていて、それがなおさら事の深刻さを物語る」とも。実際にお読みいただいた感じがでていて、嬉しいです。
また、インターネット上での書評・紹介もいくつか見つけました。このように丁寧にお読みいただけるのは書き手として最も幸せなことです。ありがとうございます。
- 山下ゆの新書ランキング:http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/52269080.html
- 琥珀色の虚言:https://fujipon.hatenadiary.com/entry/brexit
- 読書メーター:https://bookmeter.com/books/15081232
- 本が好き!:https://www.honzuki.jp/book/287039/
2020/03/15
Why Asia needs to worry about transatlantic tensions (ThinkChina)
Article URL: https://www.thinkchina.sg/why-asia-worry-transatlantic-tensions
This is a revised version of what wrote for Taiwan's Liberty Times (自由時報) in February 2020 in Chinese.
See blog post: http://mtsuruoka.blogspot.com/2020/02/blog-post.html
シンガポールの『聯合早報』が2019年秋にスタートした英語のEマガジン「ThinkChina」に、「Why Asia needs to worry about transatlantic tensions」と題して小文を寄稿しました。
2020/03/12
Competing Visions of Japan’s International Engagement (The International Spectator)
URL: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/03932729.2020.1712135
[Abstract]
The state and direction of Japan’s international engagement can best be understood as a competition between the ‘Japan first’ and ‘global Japan’ schools of thought. In light of the ever worsening security environment surrounding Japan, the gap between the Japan first school advocating a focus on the immediate needs of Japan’s territorial defence and the global Japan school arguing for more global engagement is widening. The competition between the two will continue to shape the direction of Japan’s foreign and security posture – and importantly, the global Japan school is far from winning, contrary to what Abe’s hyperactive diplomacy might suggest.
An earlier and shorter version appeared as Michito Tsuruoka, "Japan First Versus Global Japan," The National Interest, 14 January 2018.
The International Spectator誌に、"Competing Visions of Japan's International Engagement: Japan First vs Global Japan"と題した論文を寄稿しました。日本の外交安全保障、特に国際的関与の方向性は、「Japan First」と「Global Japan」という2つの基本的立場のせめぎ合いとして理解できるという趣旨です。このテーマは、引き続き深めていくことができればと考えています。
2020/02/29
ブレグジットの面白さがわかる
記事URL:https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900137/
ブレグジット自体が「面白い」かのようないい方には若干語弊がありそうですが、もし本が面白いとしたら、やはり題材が面白かったのでしょうね。イギリス側でにもEU側にもさまざまなドラマがありました。
2020/02/28
Lessons from Ogata Sadako on Internationalism in Japan
URL: https://www.nippon.com/en/in-depth/d00541/lessons-from-ogata-sadako-on-internationalism-in-japan.html
This is an English version of the original Japanese article I wrote for nippon.com in January 2020, talking about Ogata's internationalism and its failure to take root in Japan, particularly in the country's foreign and security policy discourse.
鶴岡路人「日本外交における国際主義の挑戦」nippon.com(2020年1月28日)
URL: https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00541/
2020/02/27
美歐對立影響亞洲(『自由時報』)
記事URL:https://talk.ltn.com.tw/article/paper/1354130
米欧対立はアジアにとっても他人事ではなく、さまざまな好ましくない影響が考えられるため、「他人の不幸を喜ぶ(schadenfreude)」ような姿勢は避けるべきだとの論旨です。
2020/02/25
離脱する英国もEUも弱体化、タガが外れる世界の行方
記事URL:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59338
拙著『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)からの抜粋記事(JBpress担当者による作成)でして、使われているのは主に第8章、終章で議論した将来展望に関する部分です。先日webちくまで公開の「はじめに」とあわせて、これらをきっかけに本を手にとってくださる方が増えると嬉しいです。
2020/02/21
イギリスのEU離脱は必然だったのか(webちくま)
URL:http://www.webchikuma.jp/articles/-/1937
この「はじめに」は今回の本のなかでも、主張のある一番尖った部分かと思います。異論もあるかもしれませんが、証拠に基づく冷静な分析をぶつけ合うことができれば、それはよいことだと思っています。詳しくは、上記リンクをご覧いただければと思います。
2020/02/13
波乱のなかったNATOの70周年首脳会合?
記事URL:https://www.spf.org/iina/articles/tsuruoka_11.html
2019年12月の英国でのNATO首脳会合、トランプ大統領に引っ掻き回されることを多くの人が警戒していましたが、意外と平穏でした。破滅的な状況が回避されればよしとするのだとすれば、我々の側での成否の判断ラインが下がりすぎだと思いますが・・・。
今回誕生した新たなNATO用語(?)は、「2%組(two percenters)」。国防支出の対GDP比のNATO目標である2%を達成した諸国のことです。首脳会合終了後、トランプ大統領の「おごり」で、彼らだけの昼食会が開かれました。トランプ大統領はご満悦だったのですが、同盟としては、何だか微妙な展開です・・・。冒頭のビデオを見ると、トランプに促されて各国首脳が発言しているのですが、あの場面ではトランプを褒めるしかないですよね。何だか不自然なぎこちない会合のようでした。そして何より、ストルテンベルク事務総長、お疲れ様でした。ご苦労、お察しいたします。(と、ここに日本語で書いても伝わりませんが。)
2020/01/31
『EU離脱』(ちくま新書)の見本が届きました!
2020/01/30
Brexitとは何だったのか、何をもたらすのか(「Brexitカウントダウン」最終回)
記事URL:https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3321
2019年3月からの連載が今回で終了となります。お付き合いありがとうございました。かなり頻繁な時期もあったため、このブログで紹介できなかったものも多いのですが、第1回から第22回までの全ての記事は下記からリンクされています。
記事一覧URL:https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3128
また、以前にもご紹介のとおり、この連載をもとに大幅に加筆・修正・再構成を行ったものが、鶴岡路人『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書)として2020年2月5日に刊行予定です。あわせて、よろしくお願いいたします。